「おおかみこどもの雨と雪」レビュー

おおかみこどもの雨と雪

久しぶりの更新は、こちらも久々に最近買ったBlu-rayのレビューをしたいと思います。
レビューですが、ネタバレにならない程度にしたいと思います。

この作品は、2012年7月21日公開し、「時をかける少女」や「サマーウォーズ」の制作で知られる「細田守」監督の作品です。

まずは、シナリオのあらすじ。
※パッケージより抜粋
大学生の「花」は、人間の姿で暮らす”おおかみおとこ”に恋をしました。
ほどなくふたりは愛しあい、ふたつの新しい命を授かり、姉は「雪」、弟は「雨」と名付け、彼らも人間とおおかみの二つの顔を持って生まれました。
しかし父である”おおかみおとこ”の死によって、取り残された花と雪と雨。
二人の子供のために母である花は都会の人の目を離れ、厳しくも豊かな自然に囲まれた田舎町に住むことに・・・。

◯シナリオ
 とにかく母は強し!
子供を守るための行動力が半端ない。
都会を離れ、田舎のボロ屋を借りて、家の修理に農業、それに子育てと、それを見ているだけでハラハラドキドキするし、必死に応援したくなっちゃう。
冒頭は、それに引きこまれ、あっという間に過ぎていきます。

 そこまでで気になったのは、「おおかみおとこ」がアクシデントで亡くなってしまうんですが、その亡くなり方がちょっと突然かなぁという印象。
なぜあんな感じに・・・という感じです。
まぁ、話しのテンポのためだったら納得ですが、重要な父親でもあるので、もう少し上手く描いても良かったんじゃないかなと思いました。
あとは、子供が出来るまでの過程が少し長かったかな。
この映画のテーマって後半が大部分だと思うので、そういうところはもう少し端折っても良かった印象でした。

 子供達が育っていくに連れ、彼らは人間とおおかみの二面性を持っているので、人間世界に生きるか、自然の世界に生きるかの葛藤が描かれています。
ここは単純な子育て話しでなく、アクセントがあって良いですね。
子供達の葛藤に対して、視聴者として、どういう風に共感するのか、見ながらこちらも悩んでしまいます。
そんな悩みを、母親である花が持ち前の笑顔で引っ張ってくれるので、ドキドキしながらも安心して見ていられました。

 見終わったあとは、これが良い選択だったのか後悔を考えてしまいますが、みんながそれぞれの選択をして、笑顔になっているのを見ると、とにかく笑顔で前に突き進むんだとポジティブになれましたね。
ネットの評判では「ジブリ風」と言う意見もありましたが、自分は全然思いませんでした。
ジブリと似ているところは自然をベースにしているだけで、何も自然を大切にしようとか、生きるとは何かなんて重いテーマではないんです。
もっと身近というか、人の違いとか、子育てとか、人生の選択とか、そういうテーマが直接伝わってくる感覚でした。
ジブリはもっと哲学的な印象があります。

そういう意味では、ぜひ家族で、自分だったら子供が出来たら見せたいと思うくらい、身近な人達と一緒に見るには良い映画だなと感じました。

◯作画
 そもそもこの映画を今更見る機会になったのが、先日この映画のCG制作を担当したデジタル・フロンティアのTwitterで、「中学生が最近のアニメ映画でCGが使われるのは、手書きに比べて人情味が無く感じられるという意見を貰った」というものを見たからです。
自分は、この映画のメイキングをイベント等で見ていたので、そこまで感じ無かったのですが、本編を全部見ているわけでは無かったので、本当かどうか確かめたくなったんです。

 さて、前置きが長くなりましたが、作画の話しを。
全体としては、特に可もなく不可も無くという印象です。
ただ、ポイントは自然の表現だと思います。
今回のCGのポイントは、この自然で使われている花や草木を、背景美術を元に、それを3Dの花や木々にマッピングし動かす(風等の影響で)、というテクニックにあると思います。
その場面は確かに躍動感がありますし、今までのアニメ映画より自然さが出ていて、自分的には非常に良かったと感じられました。
たぶんCG知らない人が見ると、あまりに自然過ぎて、気づかないくらいだと思います。
なんで、今までのアニメ映画は背景が動いてなかったんだろうと思うくらい。

 でも、この手法は良い部分、悪い部分もあると思うんですよね。
背景があまりにも動きすぎてしまうと、全体の画が騒がしくなって、見ている方が疲れてしまうというのがあると思います。
背景が落ち着いていて、キャラクターが動いているから、キャラが目立つし、シナリオに集中出来るってのもあると思うので。
そういう意味では、思っていたより、この手法が使われている場面は、全体の時間から考えても少なかったので、要所要所で上手く使っているのかなぁと思いました。

 で、それは良いのですが、一点気になるとすれば、一部写実的過ぎる背景があったという事です。
つまり、キャラクターはアニメ調なのに、背景があまりにも実写風過ぎて、ギャップがあり過ぎるという事ですね。
特に、木々の中を疾走するシーンとか、滝や川などの水物でしょうか。
もしかしたら、それらを見て中学生達は人情味が無いと思ったのかもしれません。

◯総括
 ぜひ見ても後悔しない作品と思いますので、多くの方に見て欲しいです。
なんか久しぶりに、見終わったあとに、良いな親や子供って思いました。
「時をかける少女」も「サマーウォーズ」も見ましたが、それらはピン!と来なかったんですが、この作品は、細田守監督の中では一番になりましたね。

 最後に、余談ですが、気になる方もいると思うので声優の演技を話しを。
基本的には、キャスティングは役者を使っている感じですね。
「花」役は宮崎あおいさん、「おおかみおとこ」役は大沢たかおさん。
「雪」や「雨」の子供達は、子役の方たちがキャスティングされています。
演技は、始めはまぁ少し気になる部分がありますが、何とか聞きなれる程度になると思います。
特に、宮崎あおいさんは、よくあるアニメのキャスティングで演技する役者より、感情がよく伝わって良かったと思います。

 子供達は、まぁよく聞く演技な感じでしたね。
子供だからしょうがないって感じでしょうか。
でも、幼少期の子役は演技上手いなぁと伝わってきます。

という事で、長くなりましたが、久しぶりの更新は以上です。

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